コインランドリー※ただし、飲み屋を兼ねる(スイス/ベルン)

 先のコインランドリーで、洗濯物が仕上がるのを待ちながら、スーパーかどこかで買った缶ビールを一杯。というのは、何度かやったことがある。機内持ち込みサイズぎりぎりの荷物。着替えはすぐに枯渇し始めるので、週1回はどこかの街でコインランドリーに立ち寄る、そんな旅を続けているうち、片手に洗濯物、もう片手にはビール瓶が2~3本、そんな習性がついてしまう。
 そういうわけで、ベルンについたその日も、街中のコインランドリーを探していた。こういう時に、グーグルマップは非常に便利で、laundrette、又はlaundromatと入力しただけで、目ぼしい候補を挙げてくれる。
 都合よく、ベルン駅すぐ近くにコインランドリーがあるらしいのだけれども、地図記号はグラスマーク、つまり飲み屋と表示されている。店の名前は「ウォッシュバー」といって、名は体を表すでいくと、やっぱり飲み屋かもしれない。要領を得なくて、グーグルで画像検索してみて、やっと理解した。正確に言うと、「コイン(又は札を払って、お酒を飲むと無償で洗濯ができる)ランドリー」といった感じだ。
 その、「ウォッシュバー」は、ベルン駅目の前のショッピングモールの1階にあった。時間は、夜の10時を過ぎていて、あらかたの店が閉まっている。店の前まで来てみると、店はガラス張りで確かに開いているけれども、扉が閉まっている。
 客の一人が気づいてくれて、人差し指で円を描いたかと思うと、ガラス越しに見える店の奥にある扉を指さしている。
 「一回外に回って、表側から入れ」ということらしい。日本のショッピングセンターでもあるように、深夜帯はモールからの出入りを封鎖して、外側の玄関だけを開放しているようだった。
 迂回して、店内に入ると、確かにそこはコインランドリーであって、なおかつビアバーだった。店はガラス張りの衝立で仕切られていて、半分に洗濯機が並んで、半分がビアバーになっている。
 先ほど、案内をくれた親切な先客に御礼を伝えて、ビアバー部分のカウンターに並ぶ。店員が、オーダーを聞くのに合わせて、システムを教えてくれた。曰く、飲み物を注文したら、洗濯機を使える権利も付随してくる、ビールを飲んでる間に洗濯もどうぞ、ということだから、バーが主で、ランドリーは附属という関係なのだろう。
 早速、スイスビールを一本頼んで、洗濯物を放り込んでみる。これはいい。コインランドリーに缶ビール持ち込みでやるよりも、ビールは冷えているし、何よりも周りの目を気にしなくていい。なんたって、周りも、「ビールのついでに洗濯しに来た」人ばかりだ。
 すっかり「ウォッシュバー」が気に入ったのもあり、また、店員氏の言うようにビールを飲んでいる間に、洗濯が終わり切る、そんなわけもなく。もう一度カウンターに並ぶと、見慣れたラベルが目に付いたので、迷わず注文する。
 旅の汚れを落として、そしてビールのおかげで、すっかり心地よくなって、店を後にした。



●とき
 2017年9月15日
●ところ
 ベルン、ショッピングセンター「ベーレ7」
●アクセス
 ベルン駅南口出てすぐ。
●もの
 コインランドリー兼ビアバー「ウォッシュバー」、ブーゲルビール、キリン一番搾り
●こと
 コインランドリーを探していたはずが、日瑞ビール飲み比べの”合間”に洗濯をする

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