闘牛場の模型(スペイン/ミハス)
カメラメーカのCMがきっかけで有名になった、美しい白い村がある、そんな触れ込みでアンダルシア、ミハス連峰のふもと、つまりミハスという村に行くことになった。
山の天候は変わりやすいのか、ミハス連峰が雲を留めているのか。往路、地中海、より狭くはアルボラン海沿いの快晴のなかを進んでいたのが嘘のように、ミハスの空は厚い雲が垂れ込めていた。村の家々は確かに白かった。天気が良ければさぞかし、綺麗な村なのだろう。
拍子抜けしたのを隠せずに、白い壁が続く、土産物屋が並ぶ通りの一角を歩いてみると、「カーサ博物館」と大書した、白い二階建ての長屋のような建物があるのを見つけた。ミハスの典型的な白い家を紹介する、ということらしい。入ってみる。
確かに、白い家の中は博物館で古い道具類が展示してある。さしづめ、日本の旧農村あたりにありそうな、「旧○○家住宅」のような古民家博物館といったところか。粉ひき石やら、素焼きのアンフォラやらに混ざって、一角に模型が飾ってある。村はずれの闘牛場の模型らしい。
ウシと、人の立場が入れ替わっている茶目っ気に、思わず微笑んだ。中央、赤い布を持った牛が「闘人牛」、その後ろの席で小さく並んでいるのは憧憬のまなざしを持った仔牛で、さしづめ中央の小さなボックス席にならんだ顔の小さいのがカルメン牛といったところか。
「闘牛士、気を引き締めるんだ!闘牛士!闘牛士!」トーレアドールと呼びかけたところで、このエスカミーリョは既に戦意を喪失している。
肝心の、CM撮影の舞台とかいう家並みは、やはり興ざめだった。坂の上、どんよりした雲の下、大工氏が壁を割って、配線工事の真っ最中。今回は間が悪かったのだろう。このままの印象を残すと、すこし不公平かももしれない。気が向いたら、天気のいい日を選んで再訪しようかな、と思った。それにしても、ミハスを舞台にした「有名なカメラのCM」って覚えがない。
ミハスを出たバスは雲一つない晴天の下を走っていく。このまま西に行けばジブラルタル、その先にはセウタがある。ふと気づいた。
●とき
2012年3月2日
●ところ
ミハス、リベルタ広場(大まかな住所については末尾参照)
●もの
闘牛場の模型
●こと
ビゼー作曲「カルメン」より「闘牛士の唄」
山の天候は変わりやすいのか、ミハス連峰が雲を留めているのか。往路、地中海、より狭くはアルボラン海沿いの快晴のなかを進んでいたのが嘘のように、ミハスの空は厚い雲が垂れ込めていた。村の家々は確かに白かった。天気が良ければさぞかし、綺麗な村なのだろう。
拍子抜けしたのを隠せずに、白い壁が続く、土産物屋が並ぶ通りの一角を歩いてみると、「カーサ博物館」と大書した、白い二階建ての長屋のような建物があるのを見つけた。ミハスの典型的な白い家を紹介する、ということらしい。入ってみる。
確かに、白い家の中は博物館で古い道具類が展示してある。さしづめ、日本の旧農村あたりにありそうな、「旧○○家住宅」のような古民家博物館といったところか。粉ひき石やら、素焼きのアンフォラやらに混ざって、一角に模型が飾ってある。村はずれの闘牛場の模型らしい。
ウシと、人の立場が入れ替わっている茶目っ気に、思わず微笑んだ。中央、赤い布を持った牛が「闘人牛」、その後ろの席で小さく並んでいるのは憧憬のまなざしを持った仔牛で、さしづめ中央の小さなボックス席にならんだ顔の小さいのがカルメン牛といったところか。
「闘牛士、気を引き締めるんだ!闘牛士!闘牛士!」トーレアドールと呼びかけたところで、このエスカミーリョは既に戦意を喪失している。
肝心の、CM撮影の舞台とかいう家並みは、やはり興ざめだった。坂の上、どんよりした雲の下、大工氏が壁を割って、配線工事の真っ最中。今回は間が悪かったのだろう。このままの印象を残すと、すこし不公平かももしれない。気が向いたら、天気のいい日を選んで再訪しようかな、と思った。それにしても、ミハスを舞台にした「有名なカメラのCM」って覚えがない。
ミハスを出たバスは雲一つない晴天の下を走っていく。このまま西に行けばジブラルタル、その先にはセウタがある。ふと気づいた。
●とき
2012年3月2日
●ところ
ミハス、リベルタ広場(大まかな住所については末尾参照)
●もの
闘牛場の模型
●こと
ビゼー作曲「カルメン」より「闘牛士の唄」
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