ライン川とモーゼル川の合流地点(ドイツ/コブレンツ)

 イン川と聞いても、モーゼル川と聞くと、まず思い浮かぶのはワイン。世界史的には、ゲルマニアと古代ローマ帝国の境目がライン川で、ローマ側が拠点を置いたのがモーゼル川で、近代もルール工業地帯やらラインラント進駐やら、何かと参考書の地図でお目にする両河川。その合流地点に行ってみた。
 ルクセンブルクからモーゼル川を下り、途中下車してはワインを飲んで、を繰り返しながら、コブレンツにやってきた。ラインとモーゼルの三角州にある中央駅を起点に宮殿まで、碁盤状に道路が敷かれている。いわば、プロイセン皇太子のおひざ元、御所前だったせいか、整然と計画都市を築いたらしい。宮殿を横目に、三角州の下流側、その先端の公園に入ると、いきなり巨大なヴィルヘルム1世が立っていた。
 ドイツ帝国の成立、つまり近代ドイツの統一を記念して、「ドイツらしい場所」つまり、ライン川とモーゼル川の合流地点に建てたらしい。乗馬像としては、東京の楠正成像の比でない巨大さである。初代ドイツ皇帝の視線の先で、ライン川とモーゼル川が交わっていた
 ドイチェスエック、つまりドイツの角地とも呼ばれる合流地点を眺めてみる。左手がモーゼル川、右手がライン川で、ライン川がモーゼル川を飲み込んで、北へ、オランダへ、北海へと流れていく。
 オランダ生まれのお雇い外国人デレーケは、日本の河川を見て、「これは川ではない、滝だ!!」と言ったそうだけれども、僕に言わせると、ライン川は両岸まで視線一杯に川面が広がっていて、「これは川ではない、海だ!!」と言い返してやりたくなる。ゆったりと、凪のように流れていくライン川をみて、デレーケの驚きに納得した。



●とき
 2013‎年‎9‎月‎17‎日
●ところ
 コブレンツ、ドイチェスエック(大まかな住所は末尾参照)
●アクセス
 コブレンツの中央駅から宮殿側に出て、ひたすら左に向かうと必ずたどり着く。
●もの
 ライン川とモーゼル川の合流地点、ドイチェスエック
 ドイツ統一記念碑(ドイツ帝国初代皇帝ウィルヘルム1世像)

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